霊峰・剣山の麓、四国一の清流・穴吹川の源流の里ー木屋平
徳島県の吉野川沿いに西方向へ進み、両岸へ開けた美馬市の穴吹より剣山系へー
国道492号線沿いに流れる、四国一の清流、穴吹川の青さと切り立った渓谷に見とれながら、上流方向へ車で約30分ほど進むと、木屋平の入り口にたどり着きます。
標高1,955mの剣山系を背景に、木屋平地域の面積は19700ha、その大部分が山林で、穴吹川の両岸や、山腹の日向の傾斜地など、ところどころ開けた集落が点在しています。阿波の青石積みの石垣を基に、手入れの行き届いた、その慎ましく凛とした村の佇まいは、澄んだ空気と山々の緑に相まって、清々しく感じられます。
剣山は、西日本では同じく四国にある石鎚山に次いで、2番目の高峰で、古くから山岳信仰の対象とされ、さまざまな伝承が残されています。木屋平はその山門の村として、古くは修験道や参拝の人々で宿場が賑わいました。歴史や伝承も数多く残されており、平家の落人伝説や、山岳武士、天皇継承の大嘗祭にて麁服(あらたえ)の調進の重役を担ってる阿波忌部氏の三木家があります。
木屋平では、戦後の国の奨励により、スギ・ヒノキを中心とした人工造林が盛んに行われ、今でも林業会社や個人林家が数件あります。換金作物としては、藍のあとは養蚕、その後は葉たばこと時代によって変わりました。昔、南張では和紙も製造されており、その名残で杉林の中にもカジノキ、コウゾ等が見られます。野菜、田や麦などは殆どが自給用でした。ほかに木炭、柿、コンニャク芋、梅、栗なども栽培されていましたが、現在は、養鶏、茶、柚子、ブルーベリーなどが目立ちます。薪炭林や茅場であった中尾山が開拓されたところは、冷涼な気候を利用して、時期をずらした農作物の栽培や、洋ランの避暑地として活用されています。
時期になると吉野川から遡上してくる鮎も見られ、上流ではアメゴ(アマゴ)の養殖も行われています。
またシカの獣害に伴い、いち早くシカ肉食品加工所が出来ました。
剣山御神水 名水百選(環境省)
剣山水源の森 水源の森百選(林野庁)
木屋平 字名
美地神瀧、ハヂコノ、米ノ内、桐久保、杖谷、尾山、カゴミ、ケヤキヒラ、樫原、宗屋、樫原、葛尾、桑柄、市初、菅藏、木中、東野々脇、西野々、二戸、南二戸、春宮山、今丸、杖立、茶原、小日浦、
イゲンギョ、ビヤガイチ、三ツ木、貢、南張、大北、川井、櫟木、麻衣、竹尾、下名、八幡、森遠、
谷口、弓道、谷口カケ、太合、太合カケ、川上、川上カケ